オリンピック競技になるには?

グレゴリオ暦が偶数の隔々年(4年に1回)に国際オリンピック委員会 (IOC) が開催する、世界的なスポーツ大会である。日本では、単にオリンピックと呼称したり、そのシンボルマークから五輪(ごりん)とも呼称される。古代ギリシアのオリンピアの祭典をもとに開催する事を19世紀末にソルボンヌ大における会議でフランスのクーベルタン男爵によって提唱、決議された。
オリンピック競技への採用はIOCが総会で決定する。オリンピック競技として採用される基準はオリンピック憲章に定められているが、その重要な規定は下記のようになっている。
「夏季オリンピックの競技は、男子では4大陸75カ国以上、女子では3大陸40カ国以上で広く行われている競技のみ。」
「冬季オリンピックの競技は、3大陸25カ国以上で広く行われている競技のみ。」
上記の基準を満たしながらオリンピック競技になっていない有力競技として2005年6月のIOC総会ではラグビー(総会開催時点で国内競技団体110カ国)、ゴルフ(97カ国)、空手(169カ国)、スカッシュ(118カ国)、ローラースケート(80カ国)の5競技の採用が検討されたが、何れも採用されなかった。
また、同総会で2012年から、野球とソフトボールを競技から外すことが決定された。
競技の採用は単純に国内競技団体の数によるものではなく、実質的な普及度、また当該団体の普及に対する意欲、また競技についての支配力が国内団体にあるのか(プロとアマの対立等の問題であり、ひいてはIOCによるコントロールが及ぶかという問題である)という点が検討される。
野球はメジャーリーグが日程調整等についてIOCに対して協力的ではないこと、ドーピングに関する姿勢がIOCとは一致しないこと、国により普及度・人気に大きな格差がある一方で野球用の特別の競技場が必要となりオリンピック開催国によっては設備設置が大きな負担となることが採用中止の一因とされる。
ゴルフは世界アマチュアゴルフ評議会(WAGC)が各国のプロゴルフツアーに対して権限がなくプロゴルファーの出場を確保できないことが不採用の一因とされる。
ラグビーはIOCが選手については国籍主義を取るのに対し、国際ラグビー評議会(IRB)が所属協会主義を取ることの相違が大きいこと、体力的消耗が激しくオリンピック開催期間の16日以内では何試合も実施できないことが不採用の一因とされる。しかし体力的消耗の点は7人制ラグビーによって競技時間を短縮し、サッカー競技と同様に開会式前からの試合開始によって問題を回避できるものでありIRBによる競技採用の提案も7人制ラグビーである。
「本質的に動作が機械的な推進力に依存する競技は受け入れない。」
従ってモータースポーツはオリンピック競技とは成り得ないはずだが、IOCの承認競技には自動車、オートバイ、ジェットスキーが含まれている。
頭脳スポーツ(マインドスポーツ)についてはこれに抵触しない。IOCの承認競技にはチェス、コントラクトブリッジが含まれている。
「オリンピック競技大会のプログラムに含まれている競技でこの規則(オリンピック憲章)の基準を満たしてはいないものも、例外的な場合については、オリンピックの伝統のために、大会で継続して実施することができる。」
救済規定であり、実質的な普及度や実施の容易度という点で不利となるフェンシング、近代五種、馬術などは伝統的競技としての要素も考慮されている。